教育環境観測所

3・11以後、生き方を見直しました。自然災害と放射線の低線量被爆にさらされた地域に根差した生活をやっていきます。教育と環境の視点で試行錯誤しながら。

3・11以来の大転換点7・10参院選後の平和憲法破壊国会誕生阻止を

 核の時代以降、軍縮の先進的役割を担うはずだった日本の平和主義外交を、

詭弁と欺瞞に満ちた解釈変更と安保法制強行で破壊し続けてきた戦後与党の

ゾンビ復活をこの選挙で決定づけてはなりません。

 平和主義憲法の破壊と環境破壊、経済破綻はすべて戦後与党のごまかし政治のつけの噴出です。たまたまリーマンショックと大震災・原発事故の矢面に立っていた当時の政権にすべての責任を押しつけ、二重のごまかしの上に、国会圧倒勢力支配をもくろんでいます。

 原子力政策の責任のがれどころか経済政策や安全保障政策まで国民を欺く今回の参院選は、真の民主主義をいかに育て守ることができるかが問われる一票です。

 言葉狩りの横行する大衆迎合プロパガンダの氾濫の中で、指標となる戦後平和主義教育の原典があります。

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1947年8月2日に当時の文部省が、同年5月3日に公布された日本国憲法の解説のために新制中学校1年生用社会科の教科書として発行した「あたらしい憲法のはなし」です。

 ・・・そこでこんどの憲法では、日本の國が、けっして二度と戰爭をしないように、二つのことをきめました。その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戰爭をするためのものは、いっさいもたないということです。これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。これを戰力の放棄といいます。「放棄」とは「すててしまう」ということです。しかしみなさんは、けっして心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの國よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません。

  もう一つは、よその國と爭いごとがおこったとき、けっして戰爭によって、相手をまかして、じぶんのいいぶんをとおそうとしないということをきめたのです。おだやかにそうだんをして、きまりをつけようというのです。なぜならば、いくさをしかけることは、けっきょく、じぶんの國をほろぼすようなはめになるからです。また、戰爭とまでゆかずとも、國の力で、相手をおどすようなことは、いっさいしないことにきめたのです。これを戰爭の放棄というのです。そうしてよその國となかよくして、世界中の國が、よい友だちになってくれるようにすれば、日本の國は、さかえてゆけるのです。

・・・(引用おわり)

 朝鮮半島が不穏な情勢となった1950年4月にこの教科書は副読本に格下げされ、1952年4月から発行されなくなりました。

 特に、引用文の後段(赤文字)は、現在はびこる敵国脅威論に対して明快な答えを示していると思います。警察権力も含めて自衛力組織の暴力装置の在り方と同時に、いかに平和外交政策や平和的文化交流の重要であるかを端的に示している文章です。

 戦後与党が、まぎれもなく掲げていた当初の理念の証拠であるこの教科書の平和主義は、やがて捻じ曲げられてきました。警察予備隊から自衛隊へ、そして集団的自衛権行使可能な国防軍へと策動してきた事実を冷静に見据え、私たちは未来世代に恥じない選択と抵抗を選挙の結果がどうなろうとも、続けていかなければならないと思います。